子宮癌の診断

MRI検査は内診不要で高精度!!

子宮癌の年間罹患者は21000人前後で、子宮頸癌が約10000人、子宮体癌が11000人です。年間死亡者数は子宮頸癌が2700人、子宮体癌が2000人、部位不明が1300人です。発症年齢から見ると、子宮頸癌は20歳台から40歳前後まで増加し、その後は横ばいとなります。子宮体癌は閉経後の50-60歳台に発生することが多く、女性ホルモンが影響していると考えられています。高齢出産、妊娠、出産の有無や月経不順、卵胞ホルモンの投与などが危険因子です。子宮頸癌はヒト・パピローマウイルスの感染が主たる原因と考えられています。このウイルスのワクチンが開発されましたが、副作用の点で現在、見直しが行われています。

子宮頸癌、子宮体癌の手術後の10年生存率は1期ではいずれも90%を越えていますが、Ⅱ期になると70%程度に落ちますので、早期診断、早期治療が大変重要になってきます。

子宮頸癌は若年でも発症することから、20歳以上の女性に公的補助のあるがん検診が行われています。おおくの子宮癌検診は内診、細胞診や経腟エコーなどが組み合わされます。ところが、子宮癌検診受診率は韓国の70%、欧米の80%と比較して、我が国は大変低い水準にあります(20%)。子宮癌検診の受診率は大いに改善すべきすが、若い女性にとっては内診に抵抗感があるのかもしれません。

とはいえ、子宮癌を放置するわけにはいきません。内診されるのがいやだとお感じになる方はMRI検査をお勧めします。
MRI検査では子宮内診が不要ですから、嫌悪感は取り除くことができます。

子宮癌の早期診断の為には、定期的な子宮癌MRI検査をお勧めします。 子宮はMRI検査にはうってつけの臓器です。CT検査やエコー検査とは正常子宮が3層に分かれてきれいに見えるからです。何よりも子宮癌の発生母地である子宮内膜が鮮明に見えるのです。
子宮は膣に面した子宮頸部とその奥の子宮体部からできています。また、子宮は外側に筋層が、中央部に移行帯と呼ばれる黒い帯状構造があります。最深部に子宮内膜があり、3者は明瞭に区別できます。
子宮内膜はMRIT2強調像(下図)では真っ白で、生理の状態により厚みが変化します。子宮内厚は通常1cm前後です。子宮内膜は子宮頸部から子宮体部までつながっています。

正常子宮

正常子宮

子宮体癌

子宮筋腫

子宮筋腫

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